
北海道で建てる · 2026.08.06
5か月続く冬が、図面を変える
東京では何でもない住宅が、倶知安では維持管理の問題になります。その差の大部分は3つの数字で説明でき、そのうち2つは設計者が線を引く前に規則で決まっています。
積雪荷重:倶知安・ニセコは230cm
北海道は建築基準法施行令第86条にもとづき、市町村ごとに垂直積雪量を定めています。倶知安町とニセコ町はいずれも230cm。札幌市は140cm、小樽市150cm、富良野市130cmです。100cm以上は多雪区域にあたり、構造計算の方法そのものが変わります。
実際の設計でいえば、ニセコの屋根は札幌の屋根の1.5倍を優に超える雪を支える前提で組みます。ここを誤ると、建物が建っているあいだずっと、数週間おきに雪下ろしの費用を払い続けることになります。
凍結深度:基礎はこの線より下に据える
北海道は凍結深度についても市町村ごとの標準値を公表しています。倶知安町・ニセコ町・札幌市が60cm、小樽市50cm、富良野市70cm。基礎はこの線より下に据える必要があり、そうでなければ基礎の下の地面が凍り、家が季節ごとに動きます。
北海道は自らの一覧表に注記を付けています。これは標準的な数値にすぎず、同じ市町村でも外気温・地質・地下水位・標高によって実際の深さは変わるため、その敷地に応じて設定しなければならない、というものです。一覧から読み取って終わりにはできません。海外のお施主様が中古で購入された建物で、最もよく見つかる手抜きがこれです。
融けた水の行き先
屋根から落ちた雪は、どこかに着地します。それが玄関先や隣家の塀、あるいは唯一の駐車スペースであれば、2度の冬を越さないうちに作り直すことになります。倶知安町は落雪の飛距離について独自の指導要綱を出しており、その距離は多くの方が思うより長いものです。

